『解けない問題を“溶く”』

——量子・意識・倫理、七つの謎を解体する

二重スリット、シュレーディンガーの猫、ハードプロブレム、クオリア、時間の矢、トロッコ問題。
それらは、本当に「解けない問題」だったのか。

本書について

『解けない問題を“溶く”』は、百年近く「解けない」とされてきた難問を、答えによって解決するのではなく、問い方そのものから解体しなおす思想書です。

本書が扱うのは、二重スリット、シュレーディンガーの猫、量子もつれ、ハードプロブレム、クオリア、時間の矢、トロッコ問題です。

中心にあるのは、ひとつの仮説です。
これらの問いがいつまでも解けないのは、世界が謎めいているからではなく、私たちの認知OSにバグがあり、問いの立て方そのものが間違っているからではないか。

本書は、新しい「答え」を提示する本ではありません。
問いの背後に隠された前提を暴き、問いそのものを「溶かして」しまうための本です。

本書の問い

世界は、本当に謎に満ちているのか。
それとも、私たちが世界を切り出す仕方が、謎を作っているのか。

二重スリットは、電子の奇妙さだけを示しているのでしょうか。
シュレーディンガーの猫は、本当に生死の重ね合わせにあるのでしょうか。
ハードプロブレムは、意識の謎なのでしょうか。
それとも、問いの作り方そのものが私たちを詰まらせているのでしょうか。

主な内容

本書は、量子力学、意識、倫理という三つの領域を、「人間の認知システムが現実を切り出す仕方」という一本の補助線で読み直します。

映像ディレクターとしての経験も、本書の重要な補助線です。
フィルムを止めれば、運動は消える。
この当たり前の事実を量子力学の観測問題に重ねたとき、「電子は観測されるまでどこにいるのか」という問いの罠が見えてきます。

本書は、ボルツマンの「粗視化」とベルクソンの「空間化」を出会わせながら、解けない問題を、別の地平へと移し替えます。

目次・構成

  • はじめに 問いの罠に囚われたあなたへ
  • 序章 問いの罠——解けない問題を作るのは誰か
  • 第1章 二重スリット——フィルムを止めた瞬間に「動き」は消える
  • 第2章 シュレーディンガーの猫——猫が生死の重ね合わせになるわけがない
  • 第3章 量子もつれ——「距離」という幻想
  • 第4章 ハードプロブレム——なぜ「なぜ」と聞くと詰まるのか
  • 第5章 クオリア——記憶の厚みが感覚になる
  • 第6章 時間の矢——物理学に方向はない、では矢はどこから来るか
  • 第7章 トロッコ問題——倫理に空間はない
  • 終章 「溶く」とはどういうことか
  • おわりに/読書案内

こんな読者へ

  • 量子力学、意識、AI、倫理に関心がある人
  • 二重スリットやシュレーディンガーの猫を、別の視点から考えたい人
  • ハードプロブレムやクオリアに関心がある人
  • 科学と哲学の交差点に立つ思考に惹かれる人
  • 「答え」ではなく「問い方」を変える思想に関心がある人

刊行情報

刊行状況:商業出版打診中 / 近刊予定
著者:Noman Lee
発行形態:商業出版または情報哲学出版より刊行予定