


『情報実在論序説』
情報は、世界を記述するものなのか。
それとも、世界そのものを成立させる根本構造なのか。
本書について
『情報実在論序説』は、情報哲学プロジェクトの出発点となる基礎理論です。
現代において、情報という言葉は多くの場合、データ、記号、通信、コンピュータ処理と結びつけて理解されています。
しかし本書は、情報をそのような技術的概念に限定しません。
情報とは、すでに存在する世界についての説明ではなく、世界が区別され、記憶され、意味を持ち、現実として立ち上がるための根本的な働きではないか。
本書は、この問いから出発します。
情報を、単なるデータではなく、存在、認識、記憶、物質、生命、AIを貫く実在的な原理として考えなおすこと。
それが、本書の基本的な試みです。
本書の問い
私たちは、世界がまず存在し、それについて情報が与えられると考えています。
しかし、世界が「何か」として現れるためには、すでに差異があり、区別があり、記憶があり、意味づけがあります。
何かが他のものから区別されること。
ある状態が別の状態と異なるものとして現れること。
その差異が、後の展開を方向づけること。
このような働きこそが、情報なのではないか。
本書は、情報を、世界の外側から与えられる記述ではなく、世界が生成する内部の構造として捉えなおします。
主な内容
本書では、情報、認識、記憶、物質、存在をめぐる基本問題を扱います。
情報とは何か。
認識とは何をしているのか。
記憶はどこにあるのか。
物質とは、情報とどのような関係にあるのか。
私たちが現実と呼ぶものは、どのようにして安定したものとして現れるのか。
これらの問いを通じて、本書は、情報を世界の基礎概念として扱うための哲学的土台を提示します。
情報哲学プロジェクトの他の著作――『数学の誕生』『物質の記憶』『生成論理学試論』『ボルツマンの悪魔』などは、いずれも本書の問題意識と深く結びついています。
情報実在論とは
情報実在論とは、情報を人間が作った記号やデータの集合としてだけでなく、現実の成立に関わる実在的な構造として捉える立場です。
ただしそれは、情報が物質の背後に別の実体として存在する、という単純な主張ではありません。
むしろ、物質、認識、記憶、生命、AIを、情報の働きから読み直すための哲学的視点です。
情報は、世界を説明するための道具であるだけではありません。
情報は、世界が世界として分節され、可能性の中から一定の形を取り、意味を持つようになる過程に深く関わっています。
こんな読者へ
- 情報哲学プロジェクトの基礎理論を知りたい人
- 情報とは何かを、技術論ではなく哲学的に考えたい人
- 認識、記憶、存在、物質の関係に関心がある人
- AI時代における新しい存在論・認識論に関心がある人
- 『数学の誕生』『物質の記憶』『生成論理学試論』を読む前提となる考え方を知りたい人
刊行情報
刊行状況:刊行状況:情報哲学出版より発売中
著者:Noman Lee
発行:情報哲学出版
関連する著作
- 『情報哲学の射程』
- 『生成論理学試論』
- 『数学の誕生』
- 『物質の記憶』
- 『ボルツマンの悪魔』