——永遠の真理 あるいは 最強の虚構

「1+1=2」は、宇宙の真理なのか。
それとも、人間が世界を生き延びるために作った、最強の情報圧縮なのか。

本書について

『数学の誕生』は、数学を「発見された永遠の真理」としてではなく、人間の認知が世界を切り出すために生み出した、強力な情報圧縮の技法として読み直す思想書です。

私たちは、二つのリンゴを見て、当然のように「二つ」と数えます。
しかし、その瞬間に私たちは何をしているのでしょうか。

色も、傷も、重さも、匂いも、かたちも異なるリンゴを、なぜ「同じもの」として束ねることができるのか。
「二」は世界の側に最初から存在しているのか。
それとも、人間の認知が、連続的で豊かな実在から膨大な差異を削除し、処理可能な単位へと圧縮した結果なのか。

本書は、この問いから出発します。

本書の問い

数学とは、宇宙に刻まれた永遠の言語なのか。
それとも、人間という生命種が作り出した、最強の虚構なのか。

本書は、数学を否定する本ではありません。
むしろ、数学の力を認めたうえで、その力がどこから来たのかを問いなおします。

数、点、ゼロ、座標、無限。
これらは単なる記号ではありません。
世界を「数えられるもの」「測れるもの」「配置できるもの」へと変換する、人間の認知OSの中核です。

主な内容

本書では、乳児の数認知、サビタイジング、ピタゴラスの整数比、ゼロの発明、ユークリッドの点、デカルトの座標、カントールの無限、ベルクソンの持続論、量子力学における点の崩壊、AIの連続的ベクトル空間へと進みます。

数学の歴史を、定理や発見の歴史としてではなく、人間の「離散化OS」が起動し、進化し、そして解体されていく歴史として描きなおします。

目次・構成

  • プロローグ 私たちは何を数えているのか
  • 第I部 OSの起動——数はいかにして「捏造」されたか
  • 第II部 OSの進化——二つの源流と数学の構築
  • 第III部 OSの解体——牢獄の構造を見抜く
  • 終章 数学の再誕
  • あとがき 檻を解体する理由

こんな読者へ

  • 数学とは何かを根本から考えたい人
  • 数学が得意ではないが、数学の思想には関心がある人
  • AI時代の知性論・認識論に関心がある人
  • ベルクソン、認知科学、量子力学、生成AIに関心がある人
  • 「世界の見方が変わる本」を読みたい人

刊行情報

刊行状況:商業出版打診中 / 近刊予定
著者:Noman Lee
発行形態:商業出版または情報哲学出版より刊行予定